TECHNOLOGY

技術力

最先端の技術というのとは少し違う。考え抜かれて、鍛え抜かれて、研ぎ澄ましてアポロカラーになった技術とワザがある。

Part1

0.8×0.4×0.4mmのセラミックに
20ミクロンの銅線を巻く技術

電子回路に不可欠のインダクタは積層タイプが主流ですが、セラミックなどのコアに銅線を巻いた巻線タイプもハイエンド商品としていまだ健在で、これを生み出しているのがアポロ技研の巻線機というわけです。

とはいっても、いまワーク(加工対象物)の最小サイズは0.8×0.4×0.4mm。これに、人間の髪の毛よりも細い太さ20ミクロンの銅線を巻いていくのですから、その生産設備にどのくらいのデリケートさが求められるか、ご想像いただけると思います。

アポロ技研では、このように超微細加工ができる生産設備を独自の力で次々に開発し、発注元である大手部品メーカーエンジニアたちをそのたびにうならせてきたのです。

Part2

巻線機を核に
開発アイテムを一貫生産システムにまで拡大

巻線タイプのインダクタは、巻いている銅線の位置が規格よりも何ミクロンかずれただけで特性不良を起こしてしまいます。そのために銅線を巻き終えた製品を検査し、良品と不良品とに選別しなければなりません。さらに良品として出荷されるインダクタは、基板に実装する装置に装着できるよう、テーピングをする必要もあります。

当初は巻線機だけを納めていたアポロ技研ですが、お客さまからのご要望により検査装置やテーピング装置も開発。結果的に巻線タイプのインダクタに関しては、スタートからフィニッシュまで生産のすべての装置を担当することになりました。どんなご要望にも「できません」とはいいたくない、アポロ技研のエンジニアスピリットがこれらの生産設備を生み出したといってもいいでしょう。

Part3

PLCをフル活用して
生産機械の制御に新しい風を

アポロ技研の巻線機のアクチュエータには、主としてステッピングモータを使用しています。第1号機でも40個以上のアクチュエータを搭載していますが、これらのすべてについて、同期をとりながらコントロールする制御技術もアポロ技研の得意とするところです。

アポロ技研の制御技術の特徴は、PLC(Programmable Logic Controller)をフルに活用して、そのソフトウェアについてもすべて自社開発している点にあります。これによって、一般的に使用されるモーションコントローラに比べて自由度の高い多軸制御が可能になり、最新の巻線機では、56個(56軸)のアクチュエータを同時にコントロールできるようになっています。これほどの多軸制御技術は、他にちょっと類を見ないかもしれません。

現場の人たちが使いこなしてこその生産設備

アポロ技研の巻線機は、制御にPLCを使用することにより、現場でのパネル操作だけで生産の段取り替えが容易にできるようになっています。モーションコントローラであれば、パソコン上でプログラムそのものをいじらなければならないわけですが、そんな手間は一切なし。アポロ技研の「現場で実際にものづくりに携わる人たちが使いこなせてこその生産設備だ」という思想が、こんなところにも表現されています。

Part4

部品加工の内製化で
QCDのさらなる向上を

アポロ技研では、複雑でしかも精度が求められる部品の加工に関しては積極的に内製化をすすめ、金属加工部門の強化にも力を入れてきました。

なぜなら、これらの加工をすべて外部に依存したとすれば、時間もコストもよけいにかかりますし、お客さまの機密保持のうえからも支障をきたしかねないからです。また積極的な内製化によって、アポロ技研がお客さまに納めた生産設備のメンテナンスや補修に関して、迅速でフレキシブルな対応も可能になります。

アポロ技研ではこのような体制を今後よりいっそう充実させることによって、QCD(Quality/Cost/Delivery)のさらなる向上を図り、お客さまとの信頼関係もいっそう強固なものにしていきたいと考えています。

加工設備一覧

マシニングセンタ
汎用フライス
NCフライス
ワイヤ放電加工機
成形研削盤

なぜ、これだけのワイヤ放電加工機が!

切削加工などではできない複雑で精密な形状を、高い精度で加工できるのがワイヤ放電加工機です。生産設備のコンパクト化を極限まで追求するアポロ技研では、部品のこうした加工が自ずと増えてくるため、ワイヤ放電加工機がこれだけの台数、どうしても必要になってくるのです。またこの加工機が、QCDの向上に一役買っていることはいうまでもありません。

Part5

お客様の「困った」にいっそう応えられる
頭脳集団をめざして

アポロ技研は決して大きな会社ではありませんから、エンジニアの一人ひとりが「多能工」的になんでもこなしていくことが求められています。また、社会人としての最低限の規律を守れてさえいれば、仕事は個人の裁量に任せられる部分が多いのがアポロ技研で、このような社風のなかから、自分の頭で考え、自ら行動できる自律したエンジニアが育っていくのだと思っています。

そして、アポロ技研がめざすのは、お客さまの「困った」に対して、つねにベストなソリューションを提案していくことのできる知識集約型の頭脳集団です。そのために、機構と制御のそれぞれの技術分野で開発設計を担当する人材の強化に、今いちばん力を注いでいるところなのです。

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